高齢者 自宅で転倒 どうする
高齢者が自宅で転倒したらどうする?緊急時の初動対応と住宅環境整備の基本
高齢の家族が自宅で転倒したとき、「高齢者が自宅で転倒したらどうするべきか」と動転してしまう家族は少なくありません。慌てて無理に抱き起こすと状況を悪化させる懸念があるため、まずは落ち着いて本人の状態を観察し、救急要請やすみやかな相談を行うことが重要です。この記事では、転倒直後の落ち着いた初動対応、直ちに119番通報すべき緊急サイン、判断に迷った際の相談窓口、日常の活動リズムの把握、そして転倒が起こりやすい住環境を整える公的制度の活用までを整理して解説します。
自宅で高齢者が転倒した直後の初動対応手順
家族などが倒れているのを発見した際、もっとも大切なことは慌てて無理に抱き起こさないことです。急に立ち上がらせようと身体を引っ張ると、強い痛みを生じさせたり、身体の局所に予期せぬ負荷をかけたりするおそれがあります。まずは周囲の安全を確保し、転倒した本人のそばで落ち着いて声をかけ、その場での安静を保ちます。
「高齢者 自宅で転倒 どうする」という状況に直面した際は、本人が動揺していることも考慮し、「無理に動かないでそのままでいてね」と優しく声をかけます。本人の返答の様子や声の出方、表情などを確認しながら、まずはそのままの姿勢で緊急性の有無を観察する手順へと入ります。
- 慌てて無理に抱き起こしたり立ち上がらせたりしない
- 本人に落ち着いた声で話しかけ、その場での安静を促す
- 足元や周囲に危険な物がないか確認して二次的な危険を防ぐ
直ちに救急車(119番)を要請すべき緊急サインの確認
総務省消防庁の救急車利用マニュアルでは、重大な病気やけがが疑われる特定の症状がみられる場合、ためらわずに119番通報するよう案内されています。転倒を発見した際は、直ちに以下の緊急サインに該当するものがないかを確認してください。
意識がない、または意識がもうろうとしていて会話が成り立たない状態は極めて危険です。また、手足の麻痺や激しい痛みを訴えている場合、大量の出血がある場合、頭部などの強い打撲が確認できる場合も重大なけがや病気の疑いがあります。これらの兆候がひとつでもみられるときは、様子を見ることなく直ちに119番通報を行ってください。
- 意識がない・もうろうとしている
- 手足の麻痺がある、または激しい痛みを訴えている
- 大量の出血がみられる
- 頭部等の強い打撲が認められる
判断に迷った場合の救急電話相談窓口(#7119等)の活用
明らかな大量出血や意識消失はみられないものの、「自力で起き上がれない」「痛みを訴えているが救急車を呼ぶべきか判断がつかない」という場面もあります。そのような緊急性の判断に迷った場合の相談窓口として、救急安心センター事業(#7119)が設けられています。
総務省消防庁の案内によると、救急安心センター事業(#7119)は、急な病気やけがの際に救急車を呼ぶべきか、医療機関を受診すべきか迷ったときに、専門家から電話で助言を受けられる窓口として一部地域で実施されています。電話口で専門家に現在の様子を伝えることで、直ちに119番通報すべきか、速やかに受診すべきかのアドバイスを受けることができます。なお、#7119はお住まいの自治体によって実施状況や利用可能な受付時間が異なるため、事前に地域の体制を確認しておくことが望まれます。
- 急な病気やけがで救急要請や受診に迷った際に電話で助言を受けられる
- 一部地域で実施されている窓口であり専門家が電話対応を行う
- お住まいの地域で未実施の場合は自治体の案内窓口やかかりつけ医への相談を検討する
無理に動かさず確認する身体状況の観察ポイントと安静保持
直ちに119番通報すべき緊急サインがみられない場合であっても、本人が急に立ち上がろうとするのを制止し、横たわった状態のまま身体状況を丁寧に観察します。高齢者は転倒の衝撃による強い痛みや違和感をうまく言葉で伝えられない場合もあります。
頭部、首、背中、腰、手足などを順に観察し、強い打撲の痕跡や激しい痛む部位がないか、本人の意思で手足を動かせるかを確認します。手足の麻痺や激しい痛みがある場合は重大な病気やけがの可能性があるため、その場で毛布などをかけて安静を保ち、無理な姿勢変更は避けて医療従事者や公的窓口の指示を仰ぐようにします。
- 本人が「平気」と言っても急激に動かさず横になったまま観察する
- 手足の麻痺の有無や自力で動かせるかを確かめる
- 頭部等の強い打撲痕や激しい痛み、出血がないかを順に目視で確認する
外傷が見当たらない場合の経過観察と受診する診療科の目安
目に見える激しい外傷や大量の出血がない場合でも、転倒による影響が後から現れる懸念があります。特に頭部等の強い打撲が疑われる場合や、時間が経ってから痛みや意識状態に変化が生じる可能性も考慮し、慎重な経過観察が必要です。
受診を検討する際の診療科の目安として、骨や関節、筋肉などの激しい痛みや打撲が疑われる場合は整形外科への受診が考えられます。また、頭部等を打った疑いがある場合や意識の違和感がみられる場合は脳神経外科などへの受診が目安となります。救急車を呼ぶべきか医療機関を受診すべきか迷う状況であれば、救急安心センター事業(#7119)等の専門窓口へ電話で助言を仰ぎ、適切な受診先や対応手順を確認することが適切です。
- 外傷が目立たなくても時間を置いて身体状態に変化がないか経過を見守る
- 骨や関節等の強い痛みや打撲が疑われる場合は整形外科への受診を目安とする
- 頭部等の打撲や意識の変調が疑われる場合は専門診療科の受診や#7119への相談を行う
日頃の活動傾向と生活リズムを把握する見守り体制
転倒などの事態に日頃から備える上では、家族の生活リズムや普段の活動傾向を把握しておくことが役立ちます。離れて暮らす家族であれば、普段と異なる生活の様子に気づくための仕組みを整えておくことが選択肢となります。
生活リズムを把握する選択肢のひとつとして、活動状況を見守るセンサー等の仕組みを取り入れる方法もあります。これらは医療機器ではなく、病気の診断や治療、転倒の防止や転倒自体の検知を行うものではありません。記事で説明した選択肢と制限を確認した後、LunaKareが表示する、その日に最初に観察された活動時刻、本人の最近の普段の時刻より早いか遅いか、最後に活動が検知された時刻、活動が検知されていない時間を確認できます。普段と異なる場合は、家族で事前に決めた方法で連絡を取ることができます。
なお、活動が検知されていない状態であっても、本人が動いていないと断定することはできません。外出している場合や、センサーの範囲外にいる場合、障害物がある場合、機器がオフラインである場合などによっても未検知となることがあります。生活リズムに普段と異なる様子が観察された際は、家族で事前に決めておいた電話などの方法で連絡を取り、状況を穏やかに確認することが適しています。
- 日頃の活動時間帯や起床の傾向を家族間で共有しておく
- 普段と異なる様子に気づいた際は事前に取り決めた連絡手段で安否を確認する
- 未検知の表示は外出や通信要因等の可能性もあるため柔軟に確認を行う
介護保険制度を活用した住宅改修と室内の転倒防止環境整備
消費者庁に寄せられた事故情報データによると、65歳以上の高齢者の転倒事故の約半数が自宅で発生しています。転倒の発生場所としては、浴室・脱衣所、庭・駐車場、ベッド・布団、玄関・勝手口、階段などが挙げられています。住み慣れた自宅の屋内外に多くの転倒要因が存在することが分かります。
転倒のリスクを軽減するための住環境整備には、介護保険制度の住宅改修費支給を活用することが可能です。厚生労働省の資料によると、介護保険における住宅改修費支給では、要支援・要介護区分にかかわらず上限20万円(原則9割、所得等に応じて8割または7割給付)の支給限度基準額が定められています。手すりの取付けや段差の解消といった工事が対象となりますが、支給を受けるためには工事着工前に市町村への事前申請が必要です。手続きの手順や受領委任払いの取り扱いは各自治体によって異なる場合があるため、改修を検討する際は必ず着工前に担当ケアマネジャーや市町村の介護保険窓口に相談してください。
- 高齢者の転倒事故の約半数は浴室・脱衣所、玄関、階段、ベッド等の自宅内で発生している
- 介護保険の住宅改修費支給は要支援・要介護区分を問わず支給限度基準額が上限20万円
- 手すり取付けや段差解消などの改修工事を行う前に市町村への事前申請が必須
よくある質問
高齢者が転倒したあと、直ちに119番通報すべき症状はどのようなものですか?
総務省消防庁の救急車利用マニュアルでは、重大な病気やけがが疑われる状態として、意識がない・もうろうとしている、手足の麻痺や激しい痛み、大量の出血、頭部等の強い打撲などが挙げられています。これらの症状がみられる場合は、ためらわずに119番通報してください。
救急車を呼ぶべきか迷ったときはどこに相談すればよいですか?
救急車を呼ぶべきか、医療機関を受診すべきか迷ったときは、救急安心センター事業(#7119)に電話することで専門家から助言を受けられます。ただし一部地域で実施されている事業のため、お住まいの地域での実施状況や受付時間をご確認ください。未実施の地域では自治体の案内や医療機関への相談をご検討ください。
the activity informationは自宅での転倒を検知したり防いだりできますか?
転倒を検知する装置や医療機器ではなく、転倒の防止や転倒自体の検知を行う機能はありません。表示できる情報は、その日に最初に観察された活動時刻、本人の最近の普段の時刻より早いか遅いか、最後に活動が検知された時刻、活動が検知されていない時間に限られます。また、活動が検知されていない場合でも、外出やセンサー範囲外、障害物、オフラインなどの可能性があり、本人が動いていないことを確定するものではありません。普段と異なる活動傾向に気づいた際に、事前に決めた方法で連絡を取るきっかけとして活用できます。
介護保険を利用した住宅改修を行う際の注意点はありますか?
介護保険制度の住宅改修費支給(要支援・要介護区分にかかわらず上限20万円、原則9割給付等)を利用する場合、手すりの取付けや段差の解消などの工事着工前に市町村への事前申請が必要です。着工後の申請は対象外となるため、改修を検討する際は事前に担当ケアマネジャーや市町村窓口へご相談ください。
まとめ
高齢者が自宅で転倒した際は無理に動かさず、意識障害や激しい痛み、大量出血、頭部等の強い打撲があればためらわず119番通報してください。判断に迷う際は#7119等の公的窓口を活用し、日頃から介護保険の住宅改修(上限20万円・事前申請必須)による段差解消や手すり設置、生活リズムの把握を通じて自宅内の備えを整えることが大切です。
公的情報・参考資料
- 消費者庁「10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!-転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で発生しています-」
- 総務省消防庁「救急車利用マニュアル A guide for ambulance services」
- 総務省消防庁「救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?」
- 厚生労働省「介護保険における住宅改修」
申請資格、助成、費用、法令は変更される場合があります。判断の前に、お住まいの地域の担当機関で最新情報をご確認ください。